2018年03月04日

ベトナム4 現地で頑張る日本人

ベトナムで設計活動をしている日本人建築家の作品も見学させてもらいました。

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こちらはボチョンギアのパートナーだった時に西澤俊理さんが担当した住宅。
元々は2世帯住宅として設計したのですが、
諸事情で地下1階が西澤さんの事務所で、3階より上が西澤さんのご自宅。

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地下のアトリエで、西澤さんに丁寧なレクチャーをしていただきました。

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細長い地下空間で、室内はとても暗く(暑い日差しを遮っている?)、
突き当たりの僅かな光が壁を照らしているのがドラマチック。

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ファサード側の日よけの室内側はこんな感じ。
年中暑いホーチミンでは基本的に日差しをカットするのが鉄則なんですね。

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屋上の日よけはこのような感じ。
雑誌などで見ていた竣工時とは違ったジャングルですね。

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内外が連続した開放的な内部空間。
日本では網戸を必ずしますが、ベトナムでは気にする人としない人と半々らしい。
現代の日本人はあまりにも虫が家に入ることを気にしすぎるばかりに、
デザインの可能性を狭めてしまっているかもしれませんね。

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どこを切り取っても絵になる素晴らしい住宅でした。

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その後、西澤さんが設計したレストラン4PSで、一緒にお食事。
オーナーも日本人のピザ屋さん。
大人気のお店で、最近、2店舗目が開店したとのこと。

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床をぶち抜いて、その代わりに他を補強。

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西澤さんは、東大出身の安藤忠雄事務所出身なのですが、
多彩の素材の使い方や色気のあるディテールなど、
ちょっとそれらを感じさせない作風です。
空間もお味も最高でした!あと、西澤さんと篠崎さんとの会話もですね。

そして、ベトナムで活動をしているもう1人の建築家佐貫大輔さん。
佐貫さんは以前、セミナーでお呼びしたことがありますが、
今回はツアーでは時間的に組み込めなかった佐貫氏設計のアパートには、
フリーの時間に少人数で拝見させていただきました。

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間口が狭く奥に細長い敷地に建つ3階建ての集合住宅です。

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特徴的なファサードは実は既製品だそうです。
水平方向にランダムなコンクリートのラインがアクセントとなっていますが、
それはこの素焼きのブロックを施工する際の基準にもなっています。
このブロックが日差しを遮りつつ、涼しい風を通します。

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細長い敷地の途中に中庭のあるいわゆる立体町家ですね。

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佐貫さんは理科大の小嶋研究室に所属中、ハノイモデルを担当していたのですが、
その経験も生かされているのでしょう。

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所々に風の通り道もデザインされていて、とても良い風が流れています。

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住んでいる住人にお願いしてくれて、室内にもいれていただきました。
丁寧にご説明いただき、そして、ホーチミンの夜もご案内いただき有難うございます。

ベトナムで活躍しているギアさん、佐貫さん、西澤さん。
今回の企画の中心人物の塚田さん、そしてそのつながりで篠崎先生。
彼らは以前からどことなく繋がりある知り合いのような同世代で、
そんなそれぞれが、それぞれの場所で頑張っていることを確認し合い、
今まで以上に頑張ろうと思えたように思います。

本当に濃密な毎日で、とても3日間とは思えない充実したものになりました。
ご協力して下さった方々に、感謝、感謝です。

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2018年03月03日

ベトナム3 ホーチミンと近代建築

2日間のホーチミンの1日目は主に郊外のギアの建築見学で、
2日目は東洋大学の篠崎先生に近現代の建築をご案内していただきました。
篠崎先生は同世代ということもあって、元々、知り合いではありますが、
ベトナム建築の研究者としては今や第一人者ですので豪華な案内人です。
東洋大学の先生つながりでツアーの詳細をつめてくれたで塚田氏が、
同時期に国際会議でホーチミンに来ていた篠崎先生にお願いしてくれて、
直前に一段とグレードアップしたツアーになりました。

バスの中で、フランス統治下のサイゴン、多くの中国人が住んでいたチョロン、
ホーチミンの歴史や街割りについて簡単にレクチャーしていただきました。

そして、最初に向かったのは統一会堂。

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こちらが、ベトナムの近代建築の最高峰と言われる「統一会堂」。
都市の重要な軸線上にのった重要な建物です。

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外周部は日陰をつくりつつ、風を流れるようなバッファーゾン。

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どことなく、ブラジルのオスカー・ニーマイヤーに似てる気もします。

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建物中央部の大階段。手摺が立派で、とても美しい階段ですね。

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手前の手摺はどことなく中華風ですが、外は典型的なフランス風。
建物のセンターに立って大通りのずーと先を見ると、突き当たりは動・植物園。
当時のフランス人は動・植物園が好きだったらしい。

この後、中央郵便局やべンタン市場など、市内の見るべき建築を足早に見学。

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こちらがベンタン市場。

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こちらは図書館。日よけのデザインが印象的。

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日よけの内側にガラス面があって、ガラスに太陽光が当たらないようになっています。

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とても美しい窓まわりです。

過密スケジュールの中、わずかなフリータイムに第二児童病院に行きました。

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開放的な廊下が両側にあって、日差しを遮るように病室があります。
パリのエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルが、
この建物に関わったという話もあるようですが、篠崎先生によると関係ないようです。
それはさておき、リズミカルの列柱が美しい建築ですね。

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建物中央にある吹き抜けまわり。
休んでいるにしては、随分とくつろいだご様子。。。

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名作の建築にこんなことでいいのでしょうか?
と思ってしまうのですが、ここは低所得者のための国立病院。
地方から出て来てホテルに住めない患者の家族がここで寝泊まりしているとのこと。
アジアのこのような病院はどこの国にでもある普通の風景なのでそうです。

夕暮れ時は、ビルの屋上のテラスでビールを飲んで一休み。
一日目は、河岸のマジェスティックホテルのオープンエアーのエム・バーで。

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そこからの眺めは最高です。南側はサイゴン港。

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そして、北東には開発が進むビル群。

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二日目はカラベルホテルのルーフテラスで夕日を眺めながらビールを一杯。

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眼下には古いビルもたくさん残っていて、
それをリノベーションした若者が集うオシャレなお店もありますが、
その先には地下鉄や大規模ビルの工事が迫ってきているので、
再開発に飲み込まれるのも時間の問題かもしれません。
世界中のどこにでもあるビル群のようにならないことを願っています。

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2018年03月02日

ベトナム2 ハノイとドォンラム

ベトナムに来たのは今回が2度目。
15年ほど前に一度来たことがあるのですが、
途切れることのないバイクの多さが印象的でしたが、、、

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いました!いました!たくさんのバイクに乗った人たち。
ただ、随分とバイクが減って、車が多くなったように思いますが、
実際のところ、どうなんでしょうね?


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まず、最初に向かったのは、36通り地区。

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オシャレなカフェもたくさんある繁華街として有名なようですが、
そこにまぎれ込むようにハノイの町家があります。
京都の町家のように手前が商売のためのスペースとなっていって、
中庭をはさんで奥が居住エリアとなっているようです。
ただ、保存運動も盛んなようですが、かなり取り壊されたり、
中庭が埋められた状態に増築されてしまっているものが多いようです。

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そんな中、ほぼ原型の状態で残されているのがこちら。

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床はすべて土間エリアなので、京の町家のように靴を脱ぐ場所がないこともあり、
現代でも全く問題なく使用できそうな感じ。
ただ、ビルが建ち並ぶこの超一等地にこの佇まいをキープするのは、
かなり経済的には難しいことだと思います。

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家具や建材のひとつひとつが細部にまで気を配っていることもあり、
とても上質な空気感が漂っています。

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フランス統治下、ハノイ市内の西洋街にはオペラ座、ホテル、庭園など、
フランス人による本場フランスと同じようなものがあって、それらもさらっと見学。
そして、こちらはフランスの建築家がベトナム風につくった建築。
同じような時代に、日本で日本人の建築家がつくった帝冠様式のようなものですね。
木造のようなデザインですが、すべてコンクリートでできるというのですから、
建築的にどうかはさておき、かなりの執念でつくり上げたことが伝わってきます。

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そして、バスで郊外に行く途中、ザンボー団地に少しだけ立寄りました。
こちらはドイモイ前の集合住宅。
なぜかこのファサードだけは原型を留めていますが、、、、

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基本的には、バルコニーからはみ出すように増築が繰り返されて、
その原型を留めないアジア的カオスのファサードです。
ドイモイ後、このような集合住宅は取り壊され、
世界中、どこにでもある超高層マンションに建て変わっているようです。

そして、バスで1時間程かけて、ドゥオンラム村へ。
日本の政府や大学など調査、保存活動に力を入れている村で、
これから観光地になるかもしれませんが、
今は一般の旅行者にはほとんど知られていないのではないでしょうか?

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ここが村の入口。ここから少し歩いたところに集落があります。

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どことなく、中国の影響を受けた街並です。

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ベトナムは信仰心がとても強いようで、
広場に面したこの立派な建物は英雄を崇める場所とともに集会所のような場所。
日本同様、古来、中国の影響を強く受けているベトナムですが、
木造建築は似ているようで、細部に至っては全く違ったものになっています。

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屋根の先端の反り返りがとても美しいですね。
細部にまで装飾が施されています。

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家の中にも数軒、入れていただきました。

基本的には通りに対しては背を向けた中庭型で、
真ん中が低く外側に向かって上に上がった屋根形状。

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ベトナムの屋根は基本的には、この素材のこのカタチ。

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こちらは、また別の家ですが、基本的には同じです。
素材感といい、軒の低い屋根が美しいですね。

入り口の高い敷居(?)は日本の茶室の躙り口のように、
外との結界で大股でまたがせ、少し頭を下げて入らせる装置でもあり、
地面より少しだけ浮かせた隙間は、外部から侵入者を見張るためとも(?)。
正確なところは、よくわからない。。。

なかなか見学できないこの村を見学できたのは、
東洋大学の篠崎先生のご紹介があったからです。
どうも有難うございます。
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2018年03月01日

ベトナム1 竹の建築

日本建築家協会JIA建築セミナーで、今年はベトナム建築ツアーを企画しました。
数年前、海外で活躍する建築家を紹介する企画で、
ベトナムで活躍する佐貫大輔さんをセミナーでお呼びしましたが、
その流れと一昨年の台湾に続く海外ツアー第二弾として、
今年はベトナムに行こうということになりました。

ベトナムで今、最も話題の建築家と言えばヴォ・チョン・ギア。
以前、ギア氏のパートナーであった佐貫さんを介して、
ギア氏とJIAの橋渡しをしたことを確認し(バトンタッチ?)、
そこから先は塚田修大氏が濃密なツアーを企画してくれました。
本当にどうも有難うございます!

夜間の直行便を使って金土日の実質3日間で、
ハノイとホーチミンの大まかに建築を見るということですから、
今回はいつも以上にハードスケジュール。。。

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ギア氏の事務所はハノイにもありますが、訪問したのはホーチミン。

ギア氏は建築教育を日本で受けていているので、
日本人にとってはどことなく親近感あるのではないでしょうか?
彼は実は僕らよりも少し下の世代ですが、
たくさんの仕事をしていて大したものです。

ちなみに、カタカナではギアと書かれていますが、
ベトナム語ではニアという発音の方が近いらしい。
ただ、a+uでもギアと書かれているので、
彼自身がそう書いてほしいのでしょう。。。

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少しだけレクチャーをしてもらって、作業風景も見せてもらいました。
インターンの学生が、ちょうどバンブー建築の模型をつくっていました。
基本的にはコンピューターで描いたラインを元に模型をつくるとのこと。

ギアの建築といえば、竹の建築。
今回は他にも盛りだくさんということもあり、竹の建築を3つだけ見学しました。
と言っても、それぞれがかなり離れて点在しているので移動が大変です。

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ホーチミンからバスで2、3時間行ったところにあるBamboo Wing。
高級リゾートの中にあるレストランです。

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ホーチミンのNWNカフェで話題の人となったギア氏ですが、
その発展系(?)の竹の建築ですが、実際に訪問するとちょっと大味の空間。

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竹の建築と言っても実際は鉄骨やワイヤーを多用していて(雑誌にも明記があるけど)、
構造計算や防火等についてはそれほどシビアには考えていないとのことで、
法規規制がゆるく、地震のないベトナムだからこそできているようです。

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とは言え、こんな建築を見るのははじめてなので、訪問する価値はありました。

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こちらが竹の断面。径が細く、中が詰まっているのです。
ベトナムには100種類ほどの竹があって、適材適所に選んでいるようです。

とても安い竹を特殊(?)な加工した安くはない材料として、
日本の教育を受けたデザインで、おかかえの大工がつくった建築という付加価値で、
ベトナムで活躍の場を広げるギア氏はかなりの商売人。

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こちらが曲げて使われる竹です。とても細いですね。

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こちらがホーチミンから2時間程のところにあるNWNカフェ。
a+uではWind anad Water Cafeという作品名。
ギア氏を一躍有名にした建築です。

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同じような平面形状のBanboo Wingよりこちらが先に出来ていますが、
空間としては圧倒的にこちらの方が上だと思います。
日本人だからこそう思うのかもしれませんが、
屋根の低さがオープンエアであるにもかかわらず囲われた印象を与え、
周りの植栽とあいまって屋根の下は日陰となり、
年中暑いベトナムにとっては快適な場所となります。
そこから見える風景は明るく、垂直方向にのびる立派な木々がとても美しいです。

この空間は構造が竹であることは、実はそれほど重要でないかもしれません。
実際のところ立派な鉄骨の柱がしっかりと屋根を支えているので、
竹は構造的にはそれほどきいていないのではないでしょうか。
むしろ、竹がインテリアとして空間に与える影響は大きい気がします。

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右ウィングの床はフラットですが、左ウィングは土地の傾斜に沿って床も下がっていて、
それに呼応するように先に屋根も下がっています。
水面より少しずつ下がって、先にいくほど包まれる感じ良いですね。
この屋根の床がつくる空間は、どこかで見たことがあるなあと思ったら、
ギア氏の師匠、内藤廣氏の牧野富太郎記念館と構成が似ていますね。
意識的にはそれを参考にしたかどうかはわかりませんせんが、
ギア氏の作品では随所に日本的なデザインが見受けられ、
それがベトナム人にとってはとても新鮮に写るのでしょうね。
勿論、日本人にとっても、カリフォルニアロールのように、
日本的なものとは全く違った新鮮に写るのでしょう。

なかなか良い空間ということもあって、過密スケジュールにも関わらず、
急遽予定を変更してこちらでランチを食べることに。

そして、NWNカフェからバスで、また2、3時間かけてSen villageへ。

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ここはまわりに何もないところに巨大な開発をしているようで、
そこの集会所のような施設として、池の中にギア氏の建築があります。

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池を取り囲むようにつくられたNWNカフェやBamboo Wingと違って、
こちらは円形プランの独立した建築を池に浮かばせた佇まい。
写真ではわかりにくいですが、想像以上に大きな建築です。

実はこの写真の奥に、大きなコンクリートの建物もくっついて、
機能的なものはすべてそちらに詰め込んでいます。
このような巨大な竹の建築は見たことはないのですが、
なぜか感動がそれほどないのは、そのためなのか?
写真のシーンとしては絵になるのですが、そこまでのものなのか?

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センターの最も高いところに円形の穴があいていて、
そこから光が差し込むローマのパンテオンのような建築。
Bannboo Wingの構造のように竹を束ねて(正確にはスチールも入っている)、
センター向かって屋根を高くして、トップで緊結した構造です。

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ギア氏の建築のまわりはこんな状況。。。
ベトナムのスピードは日本とは違うのでしょうが、
ギア氏の建築ができて2、3年は経っているので、
あまり良い感じに開発が進んでいないのかもしれませんね。

そして、ここからホーチミンまでまた2時間くらい。
朝は早くから移動したこともあって、ホーチミン市内に日が暮れる前に到着。
そこから、まだまだ、見学は続きます。。。。

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