2019年03月30日

平田雅哉の「つるや」に泊まる

今回の北陸の一番の目的は芦原温泉の「つるや」の見学。
先月、熱海の「大観荘」に行き、他の平田雅哉の数奇屋建築も見たくなり、
気がつくと、はるばる福井芦原温泉まで来てしまいました。
北陸新幹線が金沢より先に延びると、一気に東京からも近くなりますね。

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泊まったのは「吉兆」というお部屋。
平田雅哉が最も気に入っていた部屋ということで、この部屋を指定。
チェックインからチェックアウトまで、
可能な限り(それ以上?)どこにも出ずにずーとこの部屋にいると、
平田雅哉のデザイン意図が色々と伝わってきます。
やはり堀口捨己や村野藤吾といった建築家の数奇屋と、
大工の棟梁の数奇屋は違うんだなあと思いながら、のんびりと寛ぎました。

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「吉兆」の入り口横の透かし彫り。

枠はシャープに見えるように「刃掛け」の枠なしの納まりとなっています。
私たちも左官の「刃掛け」の納まりは多様していますが、
柱や枠がある中で枠なしのところをつくとその意思を強く感じます。
水平の垂直の線(枠の見付けなど)を上手く使って空間に変化を与えているのですね。

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「大観荘」にはアクリルを使った斬新な(?)ディテールがありましたが、
こちらにも同じようなデザインがあちらこちらありました。

こちらのストライプの入った壁も少し普通と違った趣きです。
近づいてみると、、、

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V目地のところをシルバーに塗って表情を作っています。
住宅の規模だとちょっと気になるディテールですが、
この規模の暗がりではいい感じですね。
今見ると、今一つかなあと思うデザインもチラホラありますが、
失敗を恐れずトライし続けた数奇屋大工に脱帽です。

チェックアウト後、他の部屋も見せていただきました。
見せていただきたかったお部屋は「観月」と「大観」でしたが、
運よくどちらも空室で二室とも見せていただきました。

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こちらは「観月」の月見台。栗の木を手斧でなぐり仕上げの手摺です。

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そして、大観の間。突き当たりの障子を閉めると・・・・

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ザ・  平田雅哉です。

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アップしてもやはりこの障子は美しいですね。

「大観荘」と「つるや」と平田雅哉の作品を二つ見ると、だいぶ分かってきました。
次に泊まりに行くなら、村野藤吾の「三養荘」かなあ?
未知なる数奇屋の世界は、どこまでも深いですね。


posted by MDS at 00:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする