「成城の家II」の地鎮祭に行ってきました。コロナ禍で混乱していた昨年はちょうど現場なかったのですが、今年に入って次々に着工します!
2021年03月08日
2021年03月07日
VRで住宅を設計する時代に
最近、設計のやり方が大きく変化してきました。とても小さな空間を検討する場合、大きな模型をつくってそれを覗き込むことで検討は可能ですが、CGパースの場合はどうしても超広角レンズで引き延ばされたもので全体を把握しなけばいけません。その超広角という歪みが、私たちに錯覚を与えます。MDSでは、12mmレンズで視点が1200くらいで描いたパース、というようにかなり厳密に歪みを意識してパースを見るようにしていますが、それでも、実際に出来上がってその場に身を置いて体感する時に違った印象を受けます。勿論、写真を撮ると、事前に描いたパースと全く同じなのですが・・・・不思議です。そして、その錯覚を解消するものがVRです。
こちらがVRのゴーグルです。VRと言ってもピンキリで、こちらの機種はiphoneを差し込んで見る数千円で買える安価なもの。ただ、あまりリアルすぎると想像力の余地がなくなってしまうので、これでも十分すぎると思っています。気軽に買えるものなので、スッタフも自宅に自分用のものを買って、リモートで検討しています。普通に見える画角に設定して空間全体を見渡すことで、実際にそこにいるような錯覚を受けるのですが、歪みがあっても空間全体を包含するような検討したい場合は、超広角の設定にしてiPadを多用しています。それらを可能にしたのがBIMなのですが、MDSの場合はARCHICADの特にBIMxの存在が大きいです。小規模な建物をBIMで設計することにはかなり後ろ向きでスタディ模型をたくさん作って検討していましたが、リモートを余儀なくされたコロナ禍のここ1年で一気にARCHICADをフル活用することでデジタル化して、気がつくと住宅を設計する上では最先端をいくアトリエ事務所となってしまったのではないでしょうか?
今でも模型の持つ力はかなり大きいと思っていますが、そもそもプレゼンで模型を見せられない、リモートでスタディ模型を常に見れる状況ではない、架構が複雑で模型を作るのが大変すぎる、あるいは、リノベーションで既存と新規が混在して模型で検討するのが難しいなどなど、模型よりもコンピュータによる3Dで検討する方が勝る部分も多々あります。従来のCGと比べてBIMによる3Dの違いは、そのまま切った平面や断面が図面になることに加えて、簡単に描き出した3DデータをiPadやVRで簡単に見れることが大きい。それに加えて、絵ではなくて、ミリ単位の正確な寸法を計りながら、検討、指示だしできるという点が良いところだと思います。使い方を一歩間違えると、建物全体を考慮しない断片、断片が集積したおかしなものができてしまうと思っていますが、BIMによって小規模建物の可能性が広がると思っています。