ということで、避暑も兼ねて軽井沢に行ってきました。
こちらはdocomomoにも選ばれている「軽井沢の新スタジオ」。
アントニン・レーモンドが晩年に設計した建物です。
以前から、見学させて頂きたかった建物ですが、
念願かなって、今回初めて拝見させて頂きました。
レーモンド事務所の元所員だった北澤興一さんが所有されています。
ちょうど茅葺き屋根が使えない法規ができた1962年の竣工で、
ガルバリュウーム鋼板を茅の下に敷いて許可が降ろしたそうです。
茅は一度やり変えたそうですが、やはり少し無理があるそうで、
やむなく数年前に茅をとってしまったそうです。
不思議な形をした屋根のトップは、暖炉の火が茅に移らないように、
曲った部分に雨水がたまるようになっているとのこと。
よりによってこの大事な時に、、、、、
カメラが壊れてしまいました。特に広角側が・・・・最悪!
でも、空間は最高でした。
中心の暖炉は構造体になっていて、
その上部に細い丸太が架かっています。
スパンがとんでいるからと言って太い材を使うのは野暮とのこと。
確かに、その組み合わせ方がとても美しいです。
壁がラーチ合板。レーモンドは好んで使ったそうです。
安くて丈夫で、枠材もラーチにすると一体感を増し、
経年変化で色が美しく濃くなるのが好きだったようです。
いぐさの縄で編んだ椅子は長持ちするそうです。
家具はすべてレーモンドの作品です。
ピントがボケていますが、
左から北澤さんと建築家と宮さん、阿部勤さん。
レーモンドが設計した住宅には、
他のデザイナーの家具は一切置かせなかったとのこと。
時々、自分が設計した住宅に行って、自分が設計したもの以外は、
所員にすべて外に出すように指示を出していたらしい(汗)。
さすが、巨匠です!
奥の主寝室の天井は、とても複雑な接合になっています。
いろいろと質問するさせていただくと、
北澤さんにとってもお気に入りのところだそうで、
熱く接合部について語っていただきました。
緑の中の佇まい、架構、簡素なインテリアなど、
50年の時を超えた素晴らしい建築でした。