2012年10月17日

雨の「桂」

今回の旅行の目的は、そもそも「桂離宮」。
現在進行中のサンクトペテルブルグのプロジェクトで、
桂離宮と同じぐらいの大きさの池があり、
その大きさと建物の配置を参考にするための訪問です。

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「桂」もあいにくの雨でしたが、気は持ちようです。
雨の日は緑が映えますし、石の色がはっきり見えます。
しかも、雨の日は晴れた日よりもコントラストが落ちるので、
外の明るいところと室内の暗いところの両方を写したい場合は、
むしろ雨の日が良いくらいです。

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池越しに見る松琴亭。

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石畳の先に古書院。雨に濡れて石の色がはっきり見えます。

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傘をさしていると、自然と下を見る時間が長くなりますが、
一つ一つの石にも趣きがありますね。

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床のレベルが高いので、石の大きさがどんどん大きくなっていきます。
よく見ると最後の一段はかなり大きな石です。

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雨の日は緑が瑞々しくて、美しいですね。

桂離宮の素晴らしさは、
日本庭園、建物配置から欄間、取手のディテールまで、
すべてにおいて密度が高いということがあると思いますが、
今回は庭園と建物との関係が特に見たかったこともあり、
池に沿って起伏のある小道を歩いていくにつれ
次々と展開する風景に改めて大きな感動がありました。

桂離宮はドイツの建築家、ブルーノタウトに再認識されるまで、
しばらくの間忘れられていたという話がありますが、
日本人としては何とも恥ずかしい話です。
時代によって変わる評価基準というものはあてにならないですね。
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2012年10月16日

雨の「修学院離宮」

久しぶりの「修学院離宮」も、あいにくの雨。
事前に予約が必要な修学院離宮は、
晴れるかどうかは運まかせ。

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最も高い所にある上の茶屋「隣雲亭」から京都が一望できます。
近くの山々は霧がかかって幻想的な風景でした。

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上の茶屋の隣雲亭と言えば「一二三石」などで有名ですが、

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雨だからこそ気づいたかもしれないこちらの樋。
建物から遠く離れた小枝で支え、雨水を落としています。
メンテの行き届いた修学院離宮だからこそできるワザとは言え、目から鱗。
雨樋のデザインは普段の設計でも苦労するところです。

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軒がしっかり出ているということもありますが、
雨をものともせずにしっかり開いている佇まいが良いですね。
窓の向こうに落ちる雨音が安らぎます。

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日本は雨が多く、湿度が高く、しかも暑い。
雨をどうデザインに取り入れるかが重要です。
時代を超えて現存する名作と言われる建物は、
現代のデザインのヒントになるものが沢山潜んでいると思いました。

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2012年10月15日

京都食べ歩き

夕暮れ時、鴨川の川床のカフェで、まずはビールを一杯。
その後、歩いて「割烹たいら」 という新しくできたお店へ。

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カウンターが8席のみの小さなお店です。
料理はとても上品で美味しく、好印象。

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3件目は祇園のNITIというバーへ。
堀木エリ子さんの和紙を内装に使ったシルエットの美しい空間です。
そして、ウエスティンホテルに戻り、バーでカクテルを一杯。

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次の日の昼は、白川沿いのレストランへ。

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白川と木造の古い建物。それだけで、絵になります。
川のせせらぎを聞きながら、神戸牛を使った料理に舌鼓。
心安らぐひとときでした。

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2階は瓦屋根の連なりが美しい、1階と違った趣き。

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そして、締めは八坂の塔の膝下、「東山艸堂」。
広大な敷地に建つ建物は、日本画壇の巨匠、竹内栖鳳の私邸。

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古さを生かしたモダンな空間で、
緑が美しい昼間にもう一度行ってみたいお店です。

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2012年10月14日

村野藤吾の「佳水園」に宿泊

村野藤吾氏が設計した「佳水園」に泊まりました。
京都、蹴上の都ホテルの中にあります。
今はウェスティン都ホテル京都という名前になってしまい、
日本人としてはちょっと寂しいですね。

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佳水園」はホテルの一角にある数奇屋建築。
こちらが、その入り口の門。

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こちらの門をくぐり抜けると・・・

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雰囲気が徐々に変わっていきます。
敷き石も、少しづつきちんとしてきます。

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基本的には、この庭に面して客室が配置されています。
客室数20室のこじんまりした建物で、低く抑えた庇が印象的。
昭和の数奇屋建築の名作です。

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桂水園で最も素晴らしい空間は、このロビーではないでしょうか。
低い天井のこじんまりした空間ですが、とても落ち着きます。

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庭に面して雁行した形状になっています。

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ホテルなので基本的には共用部は土足ですが、
落ち着いた和のエッセンスが感じられます。

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廊下は暗く、狭く、天井が低い。
だからこそ、外の風景が広く、美しく見えるのでしょう。

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客室はこのような感じです。
俵屋のような高級旅館をイメージしていると、ちょっといまひとつですね。
お値段からすると仕方がないのですが、
あるいは、村野藤吾の名作ゆえに手がいれられないのかわかりませんが、
水周りや白い蛍光灯の照明など、
時代と共に手をいてれいった方が良いように思いました。
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2012年10月12日

台湾の雑誌に「たまらん坂の家」が掲載されました。

台湾の雑誌に「たまらん坂の家」が掲載されました。

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「日本小住宅」というタイトルを見れば、
中国語がわかなくても漢字で意味がわかりますよね。
日本の狭小住宅の事例がたくさん掲載されています。

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MDSの設計した「たまらん坂の家」が掲載されています。

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巻頭の文章はMDSが書いた文章です。
日本の建築家はどのようなことを考えながら、
住宅を設計してるかを書きました。



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2012年10月10日

北海道建築見学ツアー

僕が実行委員を務めるJIA建築セミナーで、
2泊3日の「北海道の建築ツアー」に行ってきました。
北海道に拠点を置く建築家の五十嵐淳さんの建築を見学した後、
旭川駅、岩見沢駅を経由して札幌、上遠野邸に向かうルートです。
予想以上の参加人数で大型バスでの移動となりました。

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五十嵐さんの自邸「矩形の森」と隣のアトリエを見学。
天候はあいにくの雨。

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「矩形の森」で五十嵐さんと歓談。
五十嵐さんとは以前より面識がありましたが、
佐呂間はさすがに遠く、念願かなってようやく訪問できました。
北海道の建築なので、できれば寒い冬に体感してみたかったです。
この他に2つの新作を見せて頂きました。
網走湖の湖畔沿いのホテルで五十嵐さんの講演会。そしてそこで一泊。

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旭川ではDOCOMOMO100選の旭川市庁舎を休日のため外観だけ見学。

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内藤廣氏設計の旭川駅から岩見沢駅に移動。

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一昨年、建築学会賞を受賞した「岩見沢駅」を経由して札幌へ。
夜は五十嵐さんを囲んで、実行委員長の工藤さんと堀場さん他数名で、
お酒を飲みながら歓談して・・・

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最後の締めは五十嵐さんお勧めの札幌の夜景が眺められるバーへ。

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3日目は上遠野邸以外は自由行動。僕は朝早く起きて、
アントンニン・レーモンド設計の札幌聖ミカエル教会に行ってきました。

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丸太で組んだ架構が素朴かつ美しい内部空間になっています。

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構造計算上は複雑なことになる木の交わり方ですね。

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DOCOMOMO100選の60年代の名作と言われている上遠野邸。
以前から伺いたかった住宅のひとつです。

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ミースのファンズワース邸に影響されたとのことですが、
桂離宮の月見台をイメージされたというテラスもあります。
北海道の寒い大地に根差した名作です。

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ファンズワース邸と決定的に違うのは外壁です。
この煉瓦の質感はおもわず触れたくなりますよね。
建築家の職業病のひとつです(笑)。

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上遠野邸を設計した上遠野徹さんの息子さんの克さんも建築家。
詳しく、ご説明して頂きました。

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最後は北海道大学のモデルバーンへ。
数年前から一般公開された北海道の重要な木造建築。

北海道の厳しい自然環境に建つ建築を体感して、
風土に根差した建築のあり方を考えさせられた3日間でした。

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2012年10月07日

「長谷木記念幹」

一般非公開の「長谷木記念幹」を特別に拝見させて頂きました。

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建物は内井昭蔵氏の設計ですが、中心に据えられた「心の木」が主役です。
地面から天空へ向かって立ち上がる、森の中の大樹の印象です。
柱ではありません。

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北米の樹齢600年のダグラス・ファーの大木。
乾燥によるひび割れが渦を巻いて天に伸びています。
北半球と南半球では渦を巻く方向が違うそうです。

「心の木」は「最後の木挽き」と言われる林以一氏により
八角形に挽かれています。
挽かれた八面全てに美しい虎目があらわれるのは、
芯が真ん中にあり真っ直ぐに育った木のなせる業。
並外れに良い環境で育った証拠とのことですが、
その環境が600年も維持されていたという事実も驚きです。

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新木場の運河が眺めながら、記念幹の隣で昼食をご馳走になりました。

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時間を忘れてすっかり長居してしました。
新木場の夕暮れを背景にした「長谷木記念幹」。



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2012年10月04日

「建築士会連合会賞」を受賞

「建築士会連合会賞」を「ポジャギの家」で受賞しました。

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建築士会連合会の会報誌に掲載されました。
共同設計者としてクライアントでもある番祐貴子さんと、
構造の名和研二さんと一緒に受賞です。
講評は日建設計の櫻井さんが書いて下さっています。
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2012年10月02日

「コンフォルト」に「ふじみ野の家」が掲載されました。

インテリア専門誌の「コンフォルト」にMDSが設計した「ふじみ野の家」が掲載されました。

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「光と影」がテーマの号です。

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照明設計はシリウスライティングオフィスの戸恒さん。
昼と夜の「光と影」について解説しています。
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2012年10月01日

「建築知識」に「たまらん坂の家」が掲載されました

建築専門誌の「建築知識」に「たまらん坂の家」が掲載されました。

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設計者はそれぞれの高さをどのように決めているのかを、
詳しく解説している内容になっています。
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