「mdsのときどきブログ」は「ときどき」しかアップされないとは言え、
いろいろな方に(いつもブログを見ていただき有難うございます!)
インドネシア、メキシコの建築視察の写真はまだですか?
と挨拶のように言われます・・・が、もう少しお待ち下さい・・・
年始はなんとなく日本的な気分でおりますので、
ブログアップできないでいた、日本国内の印象に残っているものを
いくつかご紹介します。
まずは、修善寺の「あさば」という旅館。
京都の「俵屋旅館」、湯布院の「亀の井別荘」など、
日本には世界に誇る「旅館」が数多くありますが、
伊豆・修善寺の「あさば」もそれに並ぶ、
伝統と現代的な感覚をあわせもつ名旅館です。
「あさば」は520年の歴史をもつ日本最古の旅館と言われており、
客室から池の対岸に格式高い能舞台が見えるのが有名。
建築史家、旅館の評論家など絶賛の旅館です。
520年の風格を感じさせる賓客門が迎えてくれます。
瓦屋根の重厚感と門扉の彫刻が見事です。
賓客門を抜けたところに玄関があります。
藍色に染められた麻の暖簾が涼やかです。
訪れたのは夏。ロビーには涼を感じさせるこんな演出も。
氷のかたまりにつる草をまとわせています。
そして随所に旅館のセンスを感じさせる小物がみられます。
こちらが泊まった部屋からの風景。
池の水面が近く、目の前に能楽堂、その背後に緑豊かな山が迫ります。
到着が早かったので、部屋を選ばせて頂きました。
滝の水音も相まって、五感で日本の夏を満喫です。
客室の床の間。掛軸と花、そして余白から何を感じ取るか・・・
襖紙の模様。全ての客室の襖紙を見てみたくなります。
こちらは読書室。客室とは違う角度からの景色が楽しめます。
こじんまりとした旅館のためか、他の宿泊客とほとんど出会うことがありません。
旅館といえば、やっぱり露天風呂。
のんびりお湯につかって、気がつくと大きな鳥が・・・。
池には川の水を引いているので、川魚がたくさんいて、
それを目当てに鳥がやってくるのだとか。
後で仲居さんに伺うまでは、彫刻だと思ってました・・・
あまりにじっとして動かないので・・・
暗くなっていく様子をじっくり堪能。
夜、能舞台はライトアップされ、ここでしか体感できない情景が現れます。
小舟でいくつもの行燈を池に浮かべていきます。
この行燈が静寂な空間へいざないます。
「月桂殿」と名付けられた能舞台は、
明治後期に深川の富岡八幡宮から移築されたものだそうです。
神聖な領域と人の住むこちらの領域に距離を感じます。
能舞台には旅館で働く方々も立ち入りできないそうです。
伝統的な旅館でありながら、壁のレンガを白く塗った現代的なサロン。
夜は外のライトアップを楽しめるように、室内はかなり暗め。
ハリー・ベルトイアの「ダイアモンドチェア」が置かれています。
緩やかな時間を過ごした後は、いよいよ夕食。
食事については、次でご紹介します。